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2018年10月15日 (月)

「死神の浮力」/伊坂幸太郎


伊坂さんが産み出した、死神たち…
彼らは「組織」に属し、人の形態をとって、市町村名を名前とし、
上司(おおむね黒い犬の形態をとっているらしい)の監視下、
与えられた仕事を日々こなしている。
不慮の事故で死ぬべき人間の傍らで7日間過ごし、
「可」か「見送る」を判断すると言う仕事だ。
前作「死神の精度」は短編集。
絶品ぞろいながら解りづらく難読な伊坂作品の中では、
平易で読みやすい作品なので、
映画になったり
https://SNS.jp/view_diary.pl?id=741627838&owner_id=3102427
芝居になったり
https://SNS.jp/view_diary.pl?id=1341812676&owner_id=3102427
ずいぶん愉しませて頂いた。
その後、2013年に本作が出ていたとか…
ちっとも知らずに居て… やっと読了した。
本作は一転、500ページからの長編である。
死神は前作に引き続き「千葉」
人間の死にも全く興味がなく、
「人の死に意味はなく価値もない」と考えている。
彼が仕事のために人間界へ赴くと必ず雨が降っている。
ジャンルを問わずミュージックをこよなく愛している。
「人間の死に興味はないが、
人間が死に絶えミュージックが無くなることは辛い」とのこと。
これは死神共通で、CDショップや音楽が流れる喫茶店に行けば
必ずといっていいほど他の死神と出会える。
長〜い間、人間の世界に身を置きながら、価値観や言葉などを
いまだにあまりよく理解しておらず、
人間と会話する際に微妙に会話がかみ合わないことも多々…
そこが妙におかしく、また、真理であったりもする。
そんな千葉が今回担当したのは、「山野辺 遼」
彼は落ち目の作家で、1年前、3年生の娘「菜摘」を
サイコパス「本城 崇」に誘拐され殺された。
そして今、本城に<無罪判決>が下った…
実は、遼と美樹夫婦はそうなることを望んで
有罪の証拠を隠ぺいすらしていた。
そう… 本城を塀の中に逃げ込ませず、自らの手で罰するために!
が! 遼は知らなかった。
自分に残された時間はあと7日しかないと…
1日目… スルリと夫婦の傍らに、千葉が滑り込んできた。
遼の幼稚園の時の友だちだったという。
おかしいと思いつつも、
千葉の持つ情報は得難いもので、彼の存在を許してしまう。
2日目〜5日目
何が目的かわからないながら、傍に居てくれる千葉の
その気があるのかないのかわからない「助け」を借りつつ
遼と美樹は本城を追い詰めていくが、
本城はそれをゲームと楽しんでいるようで
目的達成にはあと1歩というところですり抜ける。
その間、千葉は仲間の死神「香川」が本城を担当しており、
香川が、組織の短絡的思付き<還元キャンペーン>で
本城に「20年“生きて”いる」という判定を下したことを知った。
6日目
必死で車で逃げる本城
それを、自転車で、荷台に遼を乗せた千葉が、涼しい顔で爆走し追いつき…
自転車を落とそうとし、運転を誤った本城もろとも、
千葉はダム湖に突っ込んだ!
そして7日目…
本城が湖底に沈んだと信じる遼と美樹夫婦は
あっさり湖から上がってきた千葉と共に
穏やかな日を迎えていた。
そして、20年間の寿命を得た本城は?!
いかにも伊坂さんらしい結果に!!
エピローグも心地よく…
で、「牧田くん」
どこかで出て来たかな〜? これから続編で登場かなぁ〜?
伊坂さんらしい、
歯切れの良い文体、
死神の悪意のない人を小馬鹿にしたような言葉と論理、
登場人物たちの独特な感性…
面白い!
いずれも伊坂作品入門書として愉しめるだろう。
本作も2014年4月に舞台化されたとのこと。
千葉が「ふかわりょう」とか…
だから私のアンテナに引っ掛からなかったんだな〜(笑)
これはドラマ化しても面白いはず!
いずれきっと!!
千葉、本城、脳内キャスティングが楽しい。
photograhs : Ichiro Fujisato/ design : Seiji Sekiguchi

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